【御礼】2021年3月31日で一般社団法人YOU MAKE IT1期を終えることができました

楳木です。
昨日3月31日を持ちまして、一般社団法人YOU MAKE ITの1期を終えることができました。
まずはこの場を借りて、お世話になった皆様に心から御礼申し上げます。

兎に角、不器用にがむしゃらに走ってきた、あっという間の1年だったように思えます。
文章を書くのが苦手で、これまであまり思いなどを長文で書いたことがないのですが、
今日くらいは書いてみようと思います。

振り返ると昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で
我々の元に来る外国人の方からの相談内容は日に日に深刻になっていきました。

3月に外国人留学生の内定取り消し、外国人労働者の解雇の相談に始まり、
4月には週28時間のアルバイトで毎月の生計をギリギリ立てている外国人留学生のアルバイトのシフトが0になったという相談、
5月には、家賃が払えない、お金を貸してくれという命の危機に関わるところまで相談が深刻になり、
我々がアパートの管理会社に家賃滞納の説明の電話をしたり、社会福祉協議会への貸付を受けるためのサポートをしたり、
この間はそんな毎日を我々は送っていました。
(もちろん無料支援です。創業以来、外国人の方への全ての支援は無料です。なぜ、無料でやるのかについてはまたどこかで・・・)

我々のインターン生だったラジに至っては3月の春休みを利用してインドに帰省したまま、11月まで戻ってくることができず、
遠くインドでロックダウンの中、とても不安で辛い思いをしていたことと思います。
彼のように帰省したまま、日本に戻って来れなくなった外国人留学生もいました。

そんな中、個人事業よりも法人の方が民間企業、教育機関、行政と連携も取りやすく、
より多くの困っている方の支援ができるのはないかと考え、全国に緊急事態宣言が発令してすぐに思い立ち、
高校の同級生である司法書士の先生に協力いただき、会社にすると決めてから2週間で法人を設立することができました。
(なぜ、NPOや株式会社ではなく一般社団法人なのかについてもまたどこかで・・・)
このような理由から法人化を2020年中に行うという当初の目標は、想定していたよりも少し前倒しになりました。

法人化してからも本当に色々な方に助けていただき、応援していただきました。
ここでは到底書ききれないくらいの人に。
中には、何の見返りもなく我々をただ信じてくださり、
我々の活動資金を寄付金として振り込んでいただいた方もいらっしゃいました。
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。応援してくださる皆様の思いをしっかり形にしていきます。
そして、日本では緊急事態宣言、世界中ではロックダウンの中、去年4月にスタートしたオンライン交流会。
週2回、1年間一度も休むことなく続けることができたのも、
全国から集まってくれた高校生と大学生のインターン生のお陰です。
本当にいつもありがとうございます。

また、2期は休眠預金を活用した助成プログラム、キャッシュフォーワーク2020に採択いただき、
こちらの事業もスタートさせていただきます。我々がやらなければならないことをまた一つ実現できます。
まだまだ活動歴も浅い我々を信じて任せてくれた方々にも、しっかり成果を返していきます。
いただいた助成金では、新型コロナウイルスの影響で仕事やアルバイトがなくなって困窮している、
日本ではたらきたい外国人の方を1年間で16人、我々がアルバイト雇用し、
給与を支払いながら、彼らの生活を守り、座学の研修やインターンシップで就職を目指すプログラムを実施します。

そして、3期目には自立して持続可能な形で活動をしていくために、昨年末には株式会社を設立しました。
また、ここでも色々な方に多大なサポートをいただきました。
こちらでは、企業様の外国人採用からフィットするところまでの支援を一つの目的としています。
まだまだ若輩者ではございますが、一生懸命に活動してまいります。

長くなってしまいましたが、この1年で、真摯に課題解決に向けて取り組んでいると、
しっかりそれを見てくれていて、応援してくれる人がいるということを
自分の原体験として持つことができました。
この体験を日本ではたらきたい外国人の方にも伝えていきたいと思っています。

この原体験を実践できた出来事を一つだけ書かせてください。
※この後紹介しますが、昨日3月31日に涙が出るようなメッセージが届いたから書きたいんです(笑)

去年の7月12日に書いた記事なんですが、コロナ渦で大学もオンライン授業になり、
また就職課もクローズしていて、相談するところがなく、
日本式の新卒就職活動に苦戦している1人のベトナム人の大学4年生の方に出会いました。

2020年7月12日の記事

彼女は、スーパーのアルバイトで学費や生活費を稼ぎながら、大学のゼミの宿題などに追われて、毎日一生懸命生活していました。
そして一度合格すれば資格は保持される日本語能力試験(JLPT)の最難関であるN1に二度も合格していました。
(おそらく、日本語を話すことができる僕でもN1に合格するのは難しいと思います)

彼女に「何故、二度も受けたの?」と聞くと、一度目にN1に合格したのが数年前だったから、
自分の日本語能力が衰えてないか、確かめるために受けたと答えました。
そんな彼女でも日本の就職活動は難しいのです。

彼女にパソコン持参で我々のオフィスに来てもらい、パソコンで一緒に見ながら、
約50社程度、企業へのエントリーを行いました。
そこから、企業からの返信メールの説明をしたり、個別説明会と面接の違いを説明したり・・・
そんなことをしているうちに、あっという間にエントリーしていた1社から内定をもらえました。
さらにそれは彼女の希望する業界、職種、勤務地。
内定承諾書にサインをして、研修に行って・・・でも外国人留学生にとっては、まだ喜べないのです。
何故なら、内定をもらっても、在留資格を留学から就業に変更できないと日本で働くことができないからです。
彼女は無事に就業ビザ(技術・人文知識・国際業務)を最長の5年をもらえました!
ほんの少しだけ背中を押してあげるだけで、日本で就職し活躍できる外国人の方は他にもたくさんいると信じてます。

国籍、年齢、性別など関係なく、
努力が報われる日本と社会にしたいです!

その彼女から、昨日3月31日にこんなメッセージが我々の元に届きました。

御礼をもらうためではなく、一人一人の課題を解決するために活動をしているのですが、
こんなメッセージもらうと涙がでてきますね。

我々の原動力であることは間違いありません。

無職でやりたいことや夢もなく、35歳でフリーランスとして独立した僕に
夢を与えてくれたのが外国人留学生のみなさんでした。
これが僕にとっての全ての原動力なので、これから先もきっとこの情熱は燃え続けます。
2期はこの情熱に加え、企業としてしっかり地に足をつけ、
持続可能な形で活動を続けるために、スタッフとスピード感を持って一緒に精進し続けます。
引き続き、皆様のご指導、ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2021年4月1日 代表理事楳木